イタリア語で「記念」を意味するアニヴェルサリオ。いま、私たちが日常、ごく当たり前に聴いている音楽。調性やソナタ形式など、そのほとんどの骨格が形成されたのは18世紀イタリアにおいてでした。代表的な作曲家はヴィヴァルディ。バロック音楽の時代から現代のロックやポップス、演歌に至るまで連綿と受け継がれ、育てられてきました。それは輝きに満ちた歴史。人類の創意と工夫の宝庫です。
金や銀すら不純物として捉えて、すべての物質を排除してオーディオケーブルとして最適と思われる高純度銅の音を聴いてみたい!むしろその初心こそより高純度なのかも知れません。そしていまだ世界的にも恒常的に生産されているのは製造インフラが高度なレベルで安定した日本でのみという高純度銅。アクロテックからアクロリンクへと継承されて生誕以来30年が重ねられました。言うまでもなく高純度銅とは不純物が限りなく微量であるということに他なりません。
量産という壁を打ち破って桁違いの純度99.9999%(6NineCu)以上を実現、製品化。その音の違いは衝撃的でした。その後、さらに9が7つ並ぶ7NCuに進化。銅(Cu)以外の物質すべてをターゲットとしていることを証明するためカタログにもその成分表を常に掲載してきました。時代はアナログからデジタルに移行、アンプやスピーカーの性能向上に呼応して、アクロリンクケーブルはさらなる新しい音を見いだしてきました。
開発の核心はあくまで純度追求ですが、被覆素材、構造、ノイズ対策、振動対策などを横軸に、そしてそのレベルを縦軸とすればクリアすべき項目は尽きません。それをひとつひとつ試作し、測定し、試聴を重ねたその果てに製品として世に問われるのはもちろん極めて僅かです。
そうしていま、30年を記念する格別の製品群をAnniversarioと命名。
ひとつの集大成として次世代を拓くパワーケーブルが誕生。音楽の「命の鼓動」を支えます。
【導体】
結晶粒が極限的に大きく方向性も揃って空前の高みに到達したアクロリンクオリジナル、D.U.C.C.ストレスフリー7NCu。ハイエンドコンポーネントの性能をより引き出すべく線径と構成の新たな黄金比率を追求しました。7N-PC4030では、ホット/コールド(7NCu)、アース(4NCu)のすべてを素線直径0.37φ×50本。7N-PC4020では素線直径0.26φ×50本として伝送の基本条件を統一しました。期待は中域から低域にかけてのさらなるパワフルな実在感ですが、全帯域に亘ってのスピード感が特に向上。幸福な副産物として高域にかけての空間の広がり、微小レベルの解像感、描写力も大きく向上しています。
【シールド】
デジタル時代になってオーディオ機器のノイズ環境は一変しました。アナログ時代にはなかったデジタル回路に起因する質と量のノイズが発生。それまでにない対策が必要となりました。早くからこの問題に取り組んできたアクロリンクではパワーケーブルのシールドの必要性を痛感、振動対策とともに第2のテーマと位置づけています。3つの導体のセンターに電磁波吸収非磁性糸およびシルク糸を設置。内シースの外周には「網」ではなく「面」を構成できる銅箔テープによるシールド層を設置。完全に外部ノイズの侵入を防いでいます。銅箔テープとドレインワイヤーはプラグのアースに接地、電界シールド効果の確立により極めてクリーンな電源を機器に供給します。
【マテリアル】
アクロリンクオーディオケーブルの大きな特長はシース素材に絶縁性と低誘電率特性の特に優れたポリオレフィン系樹脂を一貫して採用していることです。適切に撚りあげた導体を最初に被覆する絶縁体にポリオレフィン系樹脂を使用。さらに伝送にともなって発生する自身の振動と外部からの振動の抑制には粒状の吟味されたタングステン粉体とアモルファス粉体を、多くの試作によって割り出された適切な混合比率により練り込んだポリオレフィン材により介在層を構成して導体を固定。さらに介在層の外周に、制振効果を持ったパウダーを配合したポリオレフィンを基材とする内シースを配置。最外周には物理的な強度と紫外線による劣化の少ないウレタン材を使用、ポリオレフィン材と振動係数が異なることでより一層の振動抑制効果を実現しています。
【プラグとコネクター】
理想を追求すれば、おのずとプラグとコネクターもオリジナルということにならざるを得ません。研究開発の方向性に多くの共通項を見出せるオヤイデ電気にアクロリンク仕様のプラグとコネクターをカスタムオーダー。ブレードには極めて導通性の高いベリリウム銅を採用、下地に銀メッキを施しその上に可能な限り肉厚にしたロジウムメッキで仕上げています。そして筐体には制振特性に優れ、特に堅牢なポリカーボネイトを採用しました。ケーブル本体の高みに比肩するクォリティを達成しています。
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