ピュアオーディオクラスのケーブル導体はどれも極めて十分にハイスピードな伝送「速度」を持っている、といえるでしょう。しかし、それらのどれもが違う結果を出すのもまた事実。それは「速度」だけではない、ということを物語っています。同じ素材でも、単線から数十本の撚線まで太さと本数の組み合わせは無限です。さらにシースやシールドの素材と方法という要素も加わり、さらに端子、アクロリンクではすべての製品に既製品ではなくオリジナルの端子を装着しています。それらの開発過程のすべてで当然、試聴を繰り返します。音楽を聴く。例えば2020年、生誕250年となるベートーヴェンの「音」では絶対に失ってはならない音、確保しなければならない音とはどんな音か。その見解の相違が結果として音を変えて行きます。
【導体】結晶粒が極限的に大きく方向性も揃えて空前の高みに到達したアクロリンクオリジナル=7N Cu D.U.C.C. Stressfree。ハイエンドコンポーネントの性能をより引き出すべく線径とアーキテクチュアの新たなアクロリンク黄金比率を実現した7N-PC4030 Anniversarioを継承。ホット/コールド(7NCu)、アース(4NCu)はすべて素線直径0.37φ×50本。スクアランオイルを素線1本1本に?一に塗布。中域から超低域にかけてのさらなるパワフルな実在感。第九“歓喜の歌”の模索を重ねて完成した旋律を全曲中最初に奏でるチェロとコントラバスの音程をクリアかつ量感豊かにサポート。全帯域に亘っての透明感がさらに向上。そして3次元に広がる残響成分のリニアな空間の広がり、微小レベルの解像感、描写力も大きく進化しています。
【シールド】デジタル時代になってオーディオ機器のノイズ環境は一変しました。アナログ時代にはなかったデジタル回路に起因する質と量のノイズが発生。それまでにない対策が要となりました。早くからこの問題に取り組んできたアクロリンクではパワーケーブルのシールドの必要性を痛感、振動対策とともに第2のテーマと位置づけています。3つの導体のセンターには電磁波吸収非磁性糸およびシルク糸を設置。内シースの外周には「網」ではなく「面」を構成できるテープ(銅箔)によるシールド層を設置。完全に外部ノイズの侵入を防いでいます。銅箔テープとドレインワイヤーはプラグのアースに接地、電界シールド効果の確立により極めてクリーンな電源を機器に供給します。
【マテリアル】アクロリンクオーディオケーブルの大きな特長はシース素材に絶縁性と振動特性の特に優れたポリオレフィン系樹脂を一貫して採用していることです。テンション角度を適切に撚りあげた導体を最初に被覆する絶縁体にポリオレフィン系樹脂を使用。さらに伝送にともなって発生する自身の振動や外部からの振動の遮断を目的として微細粒状タングステン粉体とアモルファス粉体を、多くの試作によって割り出された適切な混合比率により練り込んだポリオレフィン材で介在層を構成して導体を固定。さらに介在層の外周には制振効果を持った特殊素材を配合したポリオレフィンを基材とする内シースを形成。この内シースに巻かれた銅箔シール層には鉛フリー高品質PVCをダブル厚肉コートして最外周シースを形成、一層の振動抑制効果を実現。その表面はあくまで滑らかであり、艶やかなホワイトパール色仕上げはハイエンドケーブルの品格を象徴しています。
【プラグとコネクター】ケーブル本体がどんなに進化しても接点での音質劣化を最小限にしなければ理想は実現できません。プラグとコネクターのオリジナル制作は必須です。研究開発の方向性に多くの共通項を見出せるオヤイデ電気にアクロリンク仕様のプラグとコネクターをスペシャルオーダー、ブレードには極めて導通性の高いベリリウム銅を採用、下地銀メッキの後に可能な限り厚いロジウムメッキ仕上げとしています。そして筐体には制振特性に優れ、特に堅牢なポリカーボネイトを採用。ケーブル本体の完成度に比肩するクォリティを達成しています。
独創のアクロリンク・ストレスフリー加工 : アクロリンクのストレスフリー製品は独自の特殊焼鈍処理と高純度銅の特性により、あまりに大きな外力でない限りセルフアニール現象で組織を健全な状態に復元することを実現した世界でも唯一のケーブルです。伸線加工後の加熱処理時点で原子配列の転移は通常の4N銅に比べ1/10億のオーダーを達成、結晶粒の数も1/80〜1/100となっています。さらに電流が流れることによってエージング=セルフアニールが促進され残留歪が減少、組織が健全に回復して、より高音質化するのです。
7N Cu D.U.C.C. : Dia Ultra Crystallized Copperは、結晶粒を一般的な純銅の数十倍以上まで大きく成長させ、かつ結晶格子の方向性を揃えた素材によるオーディオ用高純度銅導体です。結晶粒は大きいほど結晶粒界(結晶と結晶の境界面)が少なくなり、音質は飛躍的に向上します。また結晶の方向性に対しては、X線照射による解析現象によりその方向性を観測して、製造工程を最適化。D.U.C.C.×アクロリンク・ストレスフリーの相乗効果で他に類を見ない「電源電流の伝送に最適な方向性」を具えた極めて優れた線材となっています。
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