音楽家がオーディオ機器による再生で指摘することの一つに、音楽の音にはいわば外形と中身(本体)があってそれが微妙にズレている、と感ずる場合があるということです。たとえばコントラバスやティンパニの音の外形だけがわずかに先に来てその後に充満したリアルなパワー感、ボディが来る…。人が着ている形の洋服が先に届いて裸の身体が後からやってくる…ほんのわずかな時間差だけれども…、というのです。3ウェイスピーカーのユニットをリニアフェイズスピーカーのように前後に移動させてみるとそれだけで音が意外なほど大きく変化することを思い起こすオーディオファイルもいらっしゃるかもしれません。あるいはアンプなどの電子機器の回路構成で思い当たることがあるかもしれません。電子機器については必ず電源が必要ですからまず電源そのものの伝送特性を可聴周波数の数倍のレンジまでクリアにする必要があります。電源ケーブルの音質への影響が広く認知されてきた今日ではCDプレイヤーやアンプ、そしてブルーレイプレイヤーなどの多くが電源ケーブル分離方式となっています。パワーアンプなどはまさしくスピーカー駆動のための出力=電力を音楽信号に合わせて可変する機器なのです。そこにいま、ケーブル導体の素材として事実上の最高品質を誇るD.U.C.C.
7N Cu(→[1])が採用されたパワーケーブル7N-P4020 lllが誕生しました。しかも本格的な3芯構造を採用。導体そのものの突き抜けた品位がブレークスルーとなってハイエンドクラスを真に脅かす実力を具えたケーブルとなっています。コールド側をアースと共用する2芯タイプとは飛躍的に異なる新次元が拓かれたのです。そのデザインは、アクロリンクの一つの方程式、ストレスフリー加工の施されたD.U.C.C.
7N Cu 0.26φ素線37本を高密度に撚り導体を形成、ホットおよびコールド線の巻き方向を各々右巻き左巻きとして自身のSN比悪化を未然に根絶しています。そしてこの3本の芯線のセンターには自然素材のシルク糸と電磁波吸収非磁性糸を配してコモンモード・ノーマルモードおよび線間のノイズ対策にも万全で、まさにSN比の本質的な向上となって具現化されました。そして、もう一つの方程式、絶縁体にはアクロリンクが“発見”し最初に導入した素材、一般的なPVCに比べて約1/4の低誘電率を誇る高分子ポリオレフィンを採用、内シースにはそのポリオレフィンにタングステン粉体とアモルフォスを練り込んだ素材により広帯域にわたって理想的な制振効果を実現。さらにこの外側により一層のシールド効果の向上を目指して銅箔テープを巻き付けた上で外シースにも高分子ポリオレフィンを使用して全身を仕上げています。オーディケーブルにおける制振とは誘電率の良好な素材であることやその共振周波数、その階層的な組み合わせなど複数の要素の巧みな「適材適所」によって実現するもので「制振」だけでは最悪の場合、音楽の生命感まで損ねてしまうことすらあります。アクロリンクの積み重ねられてきたノウハウの結晶が、いわば天文学的に増大したデジタルデータが展開する新しい音の、音楽の、画像の精緻で正確な再現に真価を発揮します。
[1] D.U.C.C. 7N Cu:Dia Ultra Crystallized Copperは三菱電線工業株式会社開発によるオーディオケーブル用高純度銅導体で、結晶粒を一般的な純銅の数十倍以上まで大きく成長させ、かつ結晶格子の方向性を揃えた素材です。結晶粒は大きいほど結晶粒界(結晶と結晶の境界面)が少なくなり、音質上のメリットは大きいのですが、金属の結晶には方向性がありこれも揃える必要がありました。X線照射による解析現象によりその方向性は観測できますが、母線、伸線工程、アニール(焼鈍)などの製造工程を最適化することで「オーディオ信号の伝送に最適な方向性」を具えた極めて優れた線材が完成したのです。 |
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ケーブル外径
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10.6φmm
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導体
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ホット/コールド:D.U.C.C. Stressfree7N Cu 0.26φ×37本撚り(赤×1、黒×1)
グラウンド:4N超軟銅線 0.26φ×37本撚り(緑×1)
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絶 縁 体
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高分子ポリオレフィン系樹脂
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内シース
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高分子ポリオレフィン+タングステン粉体+アモルファス
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外シース
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高分子ポリオレフィン系樹脂(黒)
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シールド
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銅箔テープ
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導体抵抗
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7.5mΩ/m
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静電容量
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44pF/m
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7N-P4020III
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¥5,000(税別)/m 切り売り(1巻/50m)
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Fe
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Ni
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Si
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Al
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0.03
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0.003
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0.04
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0.005
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S
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Ag
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Na
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K
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0.05
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0.04
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0.004
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0.005未満
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U
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Th
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H
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O
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0.0002未満
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0.0003未満
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0.03未満
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1.0未満
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Typical Analysis(impurities)
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ppm/GD-MS Gas Analysis
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銅の純度測定は、材質の銅の含有率を直接測定するのではなく、銅の中に含まれる不純物を測定して、不純物の使量比率を100%から差し引いた値で示しています。
グロー放電微量分析装置を使用して、数十種類に及び不純物をすべて測定し、音質に与える影響が大きい不純物成分を上記のように表示しています。
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●このカタログに掲載されております製品の写真と実際の色は、印刷の関係で異なる場合がありますのでお求めの際は店頭でお確かめください。 |
●このカタログに掲載されております製品は、改善のため予告なしに、設計、仕様、外観、デザイン、価格等の変更を行う場合があります。 |
●このカタログに記載のD.U.C.C. は三菱電線工業株式会社の登録商標です。 |
●ACROLINK(R)は株式会社アクロジャパンの登録商標です。 |
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