いったい、オーディオケーブルとは電気理論なのでしょうか、それとも物理なのでしょうか。その両方であることは自明なのですが、伝播速度からいえば1秒間に地球を何周かしてしまうほどの速度を持つにもかかわらず、国内外問わず多くのオーディオファイルが認めているケーブルによる音の違い…。数年前までは存在さえしなかった測定技術などが確立され、導体の結晶の状態がいわば可視化されるなど、確実に音の違いの解明への“科学的”アプローチは成果を重ねています。D.U.C.C.(→[1])もその大きな成果です。エネルギー分散型X線分光(EDS)を装備した電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)によって、純度や結晶粒の大きさなどでは説明できない音の違いを「方向性」という観点から解明、銅線の加工・熱処理プロセスを上流から見直すことで、方向性を最適化するプロセスが構築されました。新製品7N-S1000IIIは、このもっとも新しい素材を、もっとも基本的な平行タイプの構造で、しかもさらに純度を高めた7N(99.99999%)で、かつストレスフリーという事実上の最高品質の導体を採用したスピーカーケーブルです。加えて、被覆素材などアクロリンクの膨大な試作などの経験に基づくノウハウも惜しげなく投入。導体はホットとコールドの巻き方向をそれぞれ右巻きおよび左巻きにし、導体に天然シルク糸を沿わせて自己ノイズ・相互干渉を解消。線間容量は電磁波吸収非磁性糸をセンターに持つ導電性制振材を2本、線間に配して極小化。絶縁体には高分子ポリオレフィン系樹脂、網状素材を遥かに上回る銅箔テープの採用により外乱ノイズに対する極めて大きなシールド効果を達成するなど構造デザインも万全です。平行タイプの大きなメリットと
なる静電容量の極小さと相まって、超高域再生即ち急峻な立ち上がり特性を確保。広帯域化の本当の価値は可聴帯域内の高周波によって展開される音の微細な変化をとらえることにあります。方向性という新たなテーマがこの再現性能に未知の地平を切り開いています。広帯域にわたるスピード感とのびのびとした音の広がり、けれん味の無い音を実現。それはパワーアンプの出力をまさにそのままスピーカーに伝送する、ケーブルによって音を変えない新世代ケーブルの誕生です。
[1] D.U.C.C. 7N Cu:Dia Ultra Crystallized Copperは三菱電線工業株式会社開発によるオーディオケーブル用高純度銅導体で、結晶粒を一般的な純銅の数十倍以上まで大きく成長させ、かつ結晶格子の方向性を揃えた素材です。結晶粒は大きいほど結晶粒界(結晶と結晶の境界面)が少なくなり、音質上のメリットは大きいのですが、金属の結晶には方向性がありこれも揃える必要がありました。X線照射による解析現象によりその方向性は観測できますが、母線、伸線工程、アニール(焼鈍)などの製造工程を最適化することで「オーディオ信号の伝送に最適な方向性」を具えた極めて優れた線材が完成したのです。
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ケーブル外径
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7.7 × 19mm
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導体
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7N Cu D.U.C.Cストレスフリー0.26φ×37本×2
(赤・黒)
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絶 縁 体
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高分子ポリオレフィン系樹脂
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トライガードコア
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導電性制振材
(センターに電磁波吸収非磁性糸を配置)×2
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シ ー ス
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高分子ポリオレフィン系樹脂
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シールド
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銅箔テープ
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導体抵抗
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7.5mΩ/m
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静電容量
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11pF/m
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7N-S1000III
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1巻/30m ¥5,500(税別)/m
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Fe
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Ni
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Si
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Al
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0.03
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0.003
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0.04
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0.005
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S
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Ag
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Na
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K
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0.05
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0.04
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0.004
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0.005未満
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U
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Th
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H
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O
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0.0002未満
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0.0003未満
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0.03未満
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1.0未満
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Typical Analysis(impurities)
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ppm/GD-MS Gas Analysis
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銅の純度測定は、材質の銅の含有率を直接測定するのではなく、銅の中に含まれる不純物を測定して、不純物の使量比率を100%から差し引いた値で示しています。
グロー放電微量分析装置を使用して、数十種類に及び不純物をすべて測定し、音質に与える影響が大きい不純物成分を上記のように表示しています。
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●製品の規格、仕様、及び価格は予告なく変更することがあります。ご了承ください。
●このカタログに記載のD.U.C.C. は三菱電線工業株式会社の登録商標です。
●ACROLINK(R)は株式会社アクロジャパンの登録商標です。
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