コンサートホールでの演奏会は、ある意味“人に聴かせるための演奏”である。むしろ、それを楽しむべきものでもある。だが時々、人に聴かせるための演奏ではなく全く個人的な思索の彷徨、生命活動の外形としての音=演奏かと思うような演奏のCDに出くわすことがある。それは音楽の分野を別にして、モーツァルトやベートーヴェンの弦楽四重奏曲やピアノ・ソナタなどで最近それが目に留まる。弦楽四重奏曲では録音の音づくりも、リスナーがその録音スタジオの中に5人目として椅子があって、あたかもリスナーの左の真横に第1ヴァイオリン、左斜め前に第2ヴァイオリン、右斜め前にヴィオラ、そして右真横にチェロといった具合だ。距離もせいぜい1mぐらいの感じ。そんなCDに巡り合うと何処か胸が騒ぐ。10年ぐらい聴いていないような音源が新しく生まれ変わって帰ってくるのだ。そういうときは、そんなサウンドを聴かせてくれるオーディオシステムにとても、感動する。アンプやスピーカーはそう滅多に換えることはない。置く位置や高さ、スピーカーが垂直に立っているか、向きの角度は左右そろっているか、というふうにこつこつとつきあってきた。特にケーブルの差は大きい。で、そういうシステムだからこそ聴かせてくれた、とも思うのだ。銅の純度は、いわば、カメラのレンズの素材としてのガラスに求める限りない透明度のようなもので、比類なき高純度は当然である。素線の太さや本数、その構成、シースの素材やその厚み、シールドの設計、などを音楽のための設計デザインとして選択し、試聴を繰り返しながら極上のオーディオケーブルとして仕上げる。そういうことを10年どころかもっと長くやってきた。だが、飽きない。ピュアオーディオのサウンドというのは、例えばフェラーリ、ランボルギーニのドライビンググルーヴのように身体を揺らし、昔のツァイスのレンズが持つ空間の奥行き感やトーンの深い表現力、などを展開する表現力、再現力を具えてなければならないでしょう。メカの躍動がハンドルやシートを通して伝わり、また、ホールなどの空間スケール、例えば天井の高さのような情報が適確に再現できること。そしてなにより、パッションを伝えて、時空を駆け抜ける至高のツールとして.....。イタリア語で記念を意味する「アニヴェルサリオ」。アクロリンク集大成モデル・7N-S8000アニヴェルサリオは、これまで培って来たノウハウの集大成であり、さらにはハイビットハイサンプリングによって拓かれた次世代大容量高速高密度デジタルサウンドの完璧な再生という“この先”を見据えた、記念すべき渾身のスピーカーケーブルなのです。
真の純度を実現するアクロリンク7N Cu。さらに純度だけではなく結晶粒を極限的に大きくし、結晶レベルでいわば“信号伝達の接点数”を最少化。その方向性までも厳格に管理・生産されるD.U.C.C.®、かつオーディオシステムセットアップ時等の外部応力によって乱れることのある分子配列を自動的に復元するアクロリンク・オリジナルのStressfree加工。それだけでは目指す最上のケーブルが実現するはずはありません。構造デザインやシース等の素材、シールドの性能など、クリアすべきハードルは高い。全周波数にわたって誘電率、誘電正接が低く一定で、極めて優れた絶縁性と使用温度範囲、耐薬品性、低摩擦性、非粘着性、耐候性、難燃性等に優れたPTFE(テフロン®)とポリエチレン系特殊樹脂でコーティング。全く同じ素材ながら、電流の流れに沿った往路復路を逆方向に巻き上げられた導体は、わずかな帯電も放出する天然シルク糸と極めて高いシールド性能を有するNoiseBEAT®テープ、電磁波吸収非磁性糸、銅箔テープを適所に配置。第1シース=タングステンおよびアモルファス粉体混合のハイブリッド高分子ポリオレフィン系樹脂、第2シース=高分子ポリオレフィン系樹脂、シールド対策の仕上げとなるオリジナルマルチレイヤーコーティングを施したUEW編組を経て最外周シースによって仕上げられています。ケーブル全体の構造は、導体の伝導特性を最大限に生かしながら強固な保持と、入念なシールド対策デザインによって構成され、そのすべての素材が特性だけでなく膨大な試作とレコーディングエンジニアやミュージシャンとのコラボによって誕生した、最上(アクロ)の組み合わせ(リンク)となっています。
電圧のみを伝送する他のインターコネクトケーブルなどと異なり、スピーカーケーブルは、パワーアンプから出力される電圧×電流=電力を伝送しなければなりません。システムによってその長さが異なり、インバーター機器や携帯電話等の電磁波増大によるノイズなどの伝送環境の悪化にも対処。音楽信号によって高速に変動する電力の伝送という自らの働きによっても発生する振動や外部からの不要振動をスピーカーへの入力直前でカットアウトするスタビライザーを搭載。アルミ合金の無垢材からの削り出し製作であり、先進のカーボンファブリックでさらに複合的に効果を高めています。そして、アンプからケーブルへ、ケーブルからスピーカーへ、唯一コンポーネントと直接接触し、重要な掛け渡し役を果たす端子。アクロリンクオリジナルの端子は、スペードコネクターは6N
Cu無垢材からの削り出し加工、バナナプラグはベリリウム銅50という理想的な素材を採用。そして2回の鏡面加工の後、銀メッキ1.5μ+高品位ロジウムメッキ0.3μ仕上げ。そのハウジングも堅牢かつ、制振特性に優れたジュラルミン無垢材の削り出しにより、極めて品位の高いコネクターとなっています。
D.U.C.C. 7N Cu
:Dia Ultra Crystallized Copperは三菱電線工業株式会社開発によるオーディオケーブル用高純度銅導体で、結晶粒を一般的な純銅の数十倍以上まで大きく成長させ、かつ結晶格子の方向性を揃えた素材です。結晶粒は大きいほど結晶粒界(結晶と結晶の境界面)が少なくなり、音質上のメリットは大きいのですが、金属の結晶には方向性がありこれも揃える必要がありました。X線照射による解析現象によりその方向性は観測できますが、母線、伸線工程、アニール(焼鈍)などの製造工程を最適化することで「オーディオ信号の伝送に最適な方向性」を具えた極めて優れた線材が完成したのです。
独創のストレスフリーの7N Cu
:アクロリンクのストレスフリー製品は独自の特殊焼鈍処理と高純度銅の特性により、あまりに大きな外部応力でない限りセルフアニール現象で組織を健全な状態に復元することを実現した世界でも唯一のケーブルです。伸線加工後の加熱処理時点で原子配列の転移は通常の4N銅に比べ1/10億のオーダーを達成、結晶粒の数も1/80〜1/100となっています。さらに電流が流れることによってエ一ジング=セルフアニール環境が促進され残留歪が減少し組織が健全に回復して、より高音質化するのです。
NoiseBEAT®テープ:
:NTTアドバンステクノロジ株式会社開発による高い電磁波吸収性能を持つ磁性箔を樹脂フィルムに積層した接地不要のフィルムです。厚さ60μm、重さ4g/m以下と薄型軽量のためケーブル内に巻き付けての使用が可能。極薄・軽量でかつ広帯域をカバーしながら、放射ノイズと外来ノイズ双方に対して高いノイズ低減性能を実現するテープです。
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【ケーブル】
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外形寸法
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18.7mm(直径)
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導体
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7N Cu D.U.C.C. Stressfree 0.37Ф×50本撚り 2本(白・右巻き/赤・左巻き)
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絶縁体
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PTFEテフロンテープ+ポリエチレン系特殊樹脂
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第1シース
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ハイブリッド高分子ポリオレフィン系樹脂(タングステン+アモルファス混合)
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シールド
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ノイズビートテープ+銅箔テープ
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第2シース
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高分子ポリオレフィン系樹脂
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最終シールド
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UEW編組
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外シース
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耐UVポリウレタン
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導体抵抗
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2.5mΩ/m
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静電容量
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17pF/m
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【スタビライザー】
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材質
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アルミニウム合金無垢材削り出し+カーボンファブリック
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【スペードコネクター】
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材質
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6N高純度銅無垢材削り出し
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メッキ
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2回磨き上げた後、銀メッキ(1.5μ)+ロジウムメッキ(0.3μ)
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ハウジング
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ジュラルミン無垢材削り出し
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【バナナプラグ】
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材質
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ベリリウム銅50
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メッキ
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2回磨き上げた後、銀メッキ(1.5μ)+ロジウムメッキ(0.3μ)
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ハウジング
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ジュラルミン無垢材削り出し
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7N-S8000 Anniversario
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(2.0m×2本) 358,000円(税別)
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特注品(ケーブル延長)
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0.5m増す毎の追加料金70,000円(税別)/2本
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●端子は両端それぞれにスペードコネクターまたはバナナプラグの選択が可能です。
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Fe
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Ni
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Si
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Al
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0.03
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0.003
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0.04
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0.005
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S
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Ag
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Na
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K
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0.05
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0.04
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0.004
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0.005未満
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U
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Th
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H
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O
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0.0002未満
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0.0003未満
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0.03未満
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1.0未満
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Typical Analysis(impurities)
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ppm/GD-MS Gas Analysis
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銅の純度測定は、材質の銅の含有率を直接測定するのではなく、銅の中に含まれる不純物を測定して、不純物の使量比率を100%から差し引いた値で示しています。
グロー放電微量分析装置を使用して、数十種類に及び不純物をすべて測定し、音質に与える影響が大きい不純物成分を上記のように表示しています。
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●製品の色調はOS、ブラウザ、お使いのモニターによって実際と異なる場合があります。店頭でお確かめください。
●製品の規格、仕様、及び価格は予告なしに変更をすることがあります。ご了承ください。
●「D.U.C.C.®」 は三菱電線工業株式会社の登録商標です。
●「NoiseBEAT®」(ノイズビート)は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です
●「テフロン®」は、米国デュポン社の登録商標です。
●「ACROLINK®」(アクロリンク)は、株式会社アクロジャパンの登録商標です。
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